オッズポート・フルドラグ

タックルデータ
ロッド:KM工房 ロックブロー106(仮・プロト)
リール:ペン
メインライン:オッズポート 4号
リーダー: D-SPEC ナイロンアブソーバー100ポンド
ルアー・仕掛:KM工房 ティンバースーパーロングリーダー
D-SPEC ナイロンアブソーバー100ポンド 3ヒロ
スペーサーリーダー8号 3ヒロ FGノット
ラインインプレッション
PEラインに求まられるものは、高い耐久性と細さと強さ、そして結束強度の強さになる。いま、ハイエンドモデルのPEラインにはふたつの選択肢がある。ひとつは、ロンフォート オッズポート。もうひとつは、ウルトラキャストマン フルドラグ。もちろん、どちらを使っても死角はない。現代PEラインにおいて究極の2択に違いない。しかし、使いどころというか、個人的な使い分けは存在する。まず、オッズポートとフルドラグは、まったく違うPEラインで、製法も内部構造も違う。ただ、それはアングラーにとってはどうでもいいことで、強ければそれでいいし、それだけでいい。そう思っていたのだが、オッズポートの誕生でその文言はいい改めなければならなくなった。先に、個人的な結論をいっておくと、フルドラグのほうがショアからのキャスティングでは使い勝手がいい。そして、個人的に気に入っている。オッズポートは結束強度があまりにも強すぎる。冗談抜きで100%の結束強度に達してしまう。PEラインの強度は、100mあればすべてが均一というわけにはいかない。強い場所と弱い場所が出てくる。150mキャストして30mのボトムを取り根掛かりをした場合、オッズポートはどこで切れるかわからない。それほどに強い。オフショアのプラグゲームではアドバンテージがあるのだろうが、ショアではその優位性を生かし切れない。一方、フルドラグなら結束部分で切れる。だから、崖を降りて、根際やブレイクラインを果敢に攻める場合にはフルドラグを多用するし、その強度に不満はない。オッズポートの出番は根掛かりの恐れがない場合、あるいは、ポイントと車が近い場合、そして、どうしても飛距離が欲しく細いラインを使いたいが強度を譲れない場合になる。例えば、絶対的な飛距離と強度が譲れない100㎝オーバーのヒラスズキ狙いで、PE1.5号を常用するならオッズポートを選ぶことになる。

ショアからの釣りではフルドラグWX8GP-Dがいいといったが、実際に使用したのはオッズポート4号。オッズポートの特徴は異様に強いノット強度で、強すぎるがゆえに太いリーダーを使うとシステムがちゃんと組めてるとシステムではなくメインラインから切れる嫌いがある。4号で90lbならリーダーと溶接リングなどの結束から切れるのだが、ショア『ジギング』ではないのなら、正直、どちらでも構わない。飛距離が限定的で根掛かりしないプラグゲームなら、1回のトラブルでその日の釣りが終了することはない。150m以上のメインラインがなくなることはないのだから。
さて。こういった高額なハイスペックラインを少しでも長く使うにはコツがある。本来の目的はトラブルを防ぐ目的だったのだが、スペーサーリーダーとして、メインラインPE4号とリーダー100ポンド3ヒロの間にPE8号3ヒロを挿入することで、キャストによる消耗やトラブル、ランディング時の根ズレをこの部分で吸収できるようになったことでメインラインの寿命が大幅に伸びた。ようするに、システムを結びなおす回数が減った。
オッズポートの飛距離や強度、耐久性に言及するのは野暮というもの。オッズポートは最強であり、フルドラッグは最高。最強と最高なら、最高を推奨はするけれど、最強という選択肢が必ずしも間違いではない。気分で使い分けてもいいだろう。

実釣の内容
例年に比べ1か月、遅れている。そんな印象の年末年始。秋のハイシーズンはよけきれないほどのハマチの数釣り展開で、なかなか大型に絞るのが難しかった。それら80㎝未満の群れが去り、単発ながら大型が狙えるシーズン。本来なら11月後半のパターンなのだが、今年というか去年は1か月ズレ込んで12月後半。
年末、大潮最終日から磯に立ち、毎回、ヒットはあるのだが高水温のせいか身切れでバラしていた。年明け、小潮初日。風が収まり、低い磯に立った。ここ数年、ティンバーファットがハマチ・ブリのヒットルアーとして揺るぎない地位を確立している。そして、実際に同行者も含め、この数日間もティンバーファットへバイトが集中していた。とりわけ、イカパターンでの実績が高いティンバーファットである。
だが、なんとなく、これはもう経験というか感覚的なもので、なんとなくティンバーファットがこの日、この状況になじんでないような気がした。チェイスはあるものの、直前で見切られているような、バイトまで持ち込めないような感覚。ベイトの種類が変わったのかもしれない。
よりソフトな水噛みとスライドが入るティンバースーパーロングにチェンジ。1投目だった。沖の潮目に届き、移動距離の短いドッグウォークを意識してソフトにスローに誘いをかけると、5アクションほどで水面が割れた。
念入りに強めにアワセをいれた。身切れを防ぐひとつの方法として、いい場所に深くフッキングする方策があるが、それを選択した。サイズは、まぁ、8㎏か9㎏か。10㎏には届かないくらい。近年は使用プラグが大型化していることもあり、それにあわせてロッドパワーも強くなった。90㎝9㎏クラスなら、一気に寄せてしまっても問題ないのだが、いかんせん、足場が悪く、おまけにランディングポジション周辺にゴロゴロと突き出た数々の岩が邪魔くさい。
いったん、寄せたあとベールを開けて、獲物を沖へ出し、崖下にいる友人にロッドを渡す。で、崖から降りる。ベストポジションをゲストアングラーに譲っていた関係で、取り込みには難儀な場所から釣りをしていたが、そこから降りる必要があった。幸い、メインラインが少々、岩にこすれたくらいで何かに絡まることなくファイトを再開できた。オッズポートなら、この程度の根ズレは想定内。あとはもう干潮間際で露出したスロープ状の岩にズリ上げる程度のことだった。サイズは9㎏あるなし。このシーズン、このエリアならアベレージサイズの上の方といったくらいのものなので、厳密なサイズやウエイトは勘弁願いたい。取り込んだハマチが、想定しているベイトサイズよりも明らかに小さいイカを吐き出した。ベイトが変われば、ルアーとアクションが変わる。この先、どのタイミングでプラグパターンがジグパターンに変わるのか、それが、オッズポートからフルドラグに巻き替えるタイミングになる。
